【ガンダム】核反応炉なのにエネルギー切れするビームの謎

ガンダムをで長年気になっていたのが、ビームライフルの「エネルギー切れ」問題

宇宙世紀のモビルスーツって核反応炉で動いているので半永久的に稼働できるはずなんです。

なのに、ZガンダムではガンダムMk2のビールライフルがマガジン交換式だったり百式でのクワトロ大尉が「ん!? エネルギー切れ!」と言ったりする。でも百式は動き続ける。

謎ですよねえ。

結論:モビルスーツ単体じゃビーム兵器は無理

結論からいえば、百式の場合はビームライフルにチャージしていたエネルギーが切れたものと思われる。

(厳密にはエネルギーではなく圧縮されたミノフスキー粒子)

もともと、いかに核反応炉でもモビルスーツサイズのジェネレーターでは高出力なビームライフル運用は無理

(正確にはミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉)

なので、ビームライフルやマガジンカートリッジ内にメガ粒子の素を溜めておくことでモビルスーツ側に必要とされる出力を抑えているのです。

簡単に説明すると、宇宙世紀のビームは魔法の粉、もといミノフスキー粒子を圧縮したメガ粒子と呼ばれるもので、

  • ミノフスキー粒子を圧縮しメガ粒子化
  • メガ粒子を収束して撃ち出す

二行程を経て撃つのが基本です。

で、最初の「ミノフスキー粒子を圧縮しメガ粒子化」にものすごいパワーが必要なんです。

余談ですが、収束の際はメガ粒子を弾く性質のあるIフィールドを筒状にし、その内側を通して撃ち出すことで収束しています。Iフィールドで収束させければ拡散ビームになります。

Iフィールドも実はミノフスキー粒子で作られるもので、ミノフスキー粒子同士が反発する性質を利用する技術です。

このIフィールドの性質を利用してバリアとして使ったのがビグザムやノイエ・ジール、試作ガンダム3号機 デンドロビウム。

しかしメガ粒子の収束はともかくバリアとして展開するには大量のエネルギーが必要だったため、やはり大型の機体でなければ実装できなかったようです。

……戦艦にはもっと積極的に搭載してもよかったのでは……?

モビルスーツはメガ粒子を作れません

実のところ、ムサイなど艦艇は一年戦争以前からビーム砲が実用化できていました。単純にサイズが大きいのでジェネレーターに余裕があり、メガ粒子の圧縮もできていたんです。

が、モビルスーツに搭載できるサイズの核反応炉ではミノフスキー粒子を圧縮しメガ粒子化するだけのエネルギーをまかないきれません。

一年戦争当時、ビーム兵器を運用するには最低でも小型艦艇程度のサイズは必要で、ビグロやアッザムなどのモビルアーマーでもなければ実装できないものだったのです。

だから、Tはじめてガンダムのビームライフルを見たシャアが「戦艦並みのビーム砲を持っているのか!」と驚いたわけです。しかし実際のところ、シャアをして化け物とすら呼ばれたガンダムでも単体でビームライフルの運用は難しかったのでした。

モビルスーツのジェネレーターでも、メガ粒子の圧縮が不可能なわけではありません。しかし酷使後の冷却に無理があるため、威力や連射性を犠牲にする必要があり、兵器として実用性に欠けたものだったのです。

だからドムの拡散ビームは目眩し程度の出力しか得られない反面、水で冷却ができた水陸両用モビルスーツ ズゴックは普通にビームを連射できたのです。

MSでもビームが撃てる。そう、エネルギーCAPならね

じゃあなんでガンダムやゲルググ以後、モビルスーツが当たり前のようにビームライフルを使うことができたか。

発想の転換、モビルスーツがメガ粒子を作れないなら、戦艦や基地で作ってビームライフル内にチャージしておけばいいのです。

(正確にはメガ粒子化する直前の縮退状態で貯蔵)

これがエネルギーCAP。エネルギーCAP技術のおかげでメガ粒子の射出に必要な出力さえ確保できればよくなり、モビルスーツの貧弱なジェネレーターでも強力なビームライフル・ビーム兵器を運用できたのです。

もともと戦艦は巨大なジェネレーターで余裕を持ってメガ粒子を生成できていたので、その分を出撃前のモビルスーツやビームライフルなどにメガ粒子チャージしておけばオッケー。

エネルギーCAP方式はガンダムだけでなく、のちにゲルググにも採用され、ついにジオンのモビルスーツもビームライフルを使えるように。しかしゲルググが配備されるころには一年戦争の趨勢は決しており、時すでに遅しでしたが……

参考までにMS-06 ザクIIのジェネレーター出力976kWに対し、自前でメガ粒子を生成してビームを使えたモビルアーマービグロの17800kW。

エネルギーCAPなしでビームを使おうと思うと、モビルスーツのジェネレーター出力ではケタがたりません。

なおガンダムのジェネレーター出力は1380kW。ザクに比べれば高出力ですが、モビルアーマーであるビグロと比べるとやはりケタ違います。

百式の場合

クワトロ大尉が百式で「エネルギー切れ」を起こしたのも、長丁場で撃ちすぎたためにチャージしておいたメガ粒子が切れたのでしょう。

もしくは、損傷と激戦のせいで百式本体がパワーダウンし、ライフルに貯めてあったメガ粒子を撃つためのエネルギーすら確保できなかった可能性もあります。

(そういえばシャアはサザビーでもパワーダウンを起こしていますね。もしそうならサザビーは二度目ということになり、さすがに学習しろよと言いたい)

メガ粒子圧縮ほどではないにしろ、発射の際には多少なりともモビルスーツのエネルギーが必要です。

その点、引き金さえ引ければ撃てるマシンガンやバズーカなど実弾兵器はやはり信頼性が高いといえます。リック・ディアスのクレイ・バズーカかっこいいよね。

ガンダムMK-2の場合

Zガンダム、グリプス戦役の時代に入り、エネルギーCAP技術はさらに洗練されます。

メガ粒子を直接ビームライフルにチャージするのではなく、交換式マガジンにチャージしておくEパック方式に昇華しましたのです。

その代表例がティターンズが開発し、カミーユやエマ中尉が搭乗したガンダムMk-2ですね。

実は0083 スターダストメモリーで登場した試作ガンダム1号機 ゼフィランサス / フルバーニアンのビームライフルもEパック方式だった模様。これがはじめてEパック方式が採用されたビームライフルだったっぽい?

あれ……陸戦型ガンダムのビームライフルもマガジン交換式だったような。いやあれはゲームだけだったか……?

まとめ:核反応炉なのにエネルギー切れする謎ビームを解説

  • モビルスーツは核反応炉により半永久的に稼働できるエネルギーを持つが、ビームの素となるメガ粒子を作るにはパワー不足
  • そこで、戦艦や基地などで先にメガ粒子をチャージしておくエネルギーCAP技術が確立された
  • ただし、チャージしといたメガ粒子が切れたり、メガ粒子を発射するためのパワーさえ得られないと撃てなくなる