実力はともかく、悪運の強さと戦犯っぷりは一級品のジェリド・メサ。
ティターンズを滅亡に追いやった「なんだ男か」も捨てがたいですが、やはり散り際のセリフがかなり印象的。
「カミーユ、貴様は俺の……!」
俺のなんだよ! 最後まで言えよ気になるだろ!
ちなみにカミーユはセリフよりもジェリドの凄絶な散り方の方が気になった様子。いや少しは気にしろよ。
「カミーユ、貴様は俺の!」の続き
結論、ジェリドの断末魔は「カミーユ、貴様は俺の全てを奪った!」がフルバージョン。
御大 富野由悠季氏がそう言ったとZガンダムDVDの解説書にも古事記にも死海文書にも書いてある。
ただ、このセリフちょっと納得いかないんですよね。
確かにジェリド、終盤まで生きていたのが信じられないぐらいカミーユにボッコボコにされてるし、大切な人を殺されまくってます。そりゃ恨み言のひとつやふたつぶつけてやりたくなるかもしれません。
でもなジェリド。
お互い様じゃい!
お互い様のジェリドとカミーユ
確かにジェリドはカミーユに挑んでは敗れ、その度に親友カクリコン、師匠ライラ・ミラ・ライラ、恋人のマウアー・ファラオを殺されています。あとシドレ曹長も。
ただ、大切な人を殺されることに関してはジェリドもカミーユも完全にお互い様なんですよ。
だってカミーユも母親ヒルダ・ビダンと恋人(?)のフォウ・ムラサメをジェリドに殺されているんですから。
母親ヒルダはティターンズの策略により、透明なカプセルに入れられた状態で宇宙空間に放り出されてしまいます。カミーユがガンダムMk2で駆けつけたところを、ジェリドの狙撃によりカプセルが割れ死亡。カミーユは自身が操縦するガンダムMk2の手の中で死にゆく母の姿を目撃することとなりました。
その上、ジェリドはカミーユと相思相愛だったフォウを殺してもいます。しかもこれまたカミーユの眼前、ジェリドの攻撃からカミーユを守る形で。
ジェリドよ、「貴様は俺のすべてを奪った」だなんて一方的に被害者ぶるのも大概にしろ、と言いたい。
ひどい死に様といえばVガンダム ウッソ母子の「これ、母さんです」がフューチャーされがち。
しかし、カミーユの母ヒルダもなかなかのものよね。親が死にがちなガンダム世界でも、酷い死に方をした親御さんのツートップと言って過言ではないでしょう。
鏡写しのジェリドとカミーユ
カミーユ「貴様のようなのがいるから、戦いは終わらないんだ! 消えろ!」
アニメ 機動戦士Zガンダム 第49話 生命、散って より
ジェリド「俺を戦いに駆り立てたのは貴様だ! そんなこと言えるのかよ! 俺は貴様ほど、人を殺しちゃいない!」
カミーユ「俺は人殺しじゃない!」
ジェリド「俺がこの手で殺してやる! そうしたら戦わずに済むだろう!」
「俺を戦いに駆り立てたのは貴様だ」か。カミーユを戦いに駆り立てたのもジェリドなわけですが、よく言えたセリフですね。
(Zガンダムの終盤は敵味方ともに印象的なセリフが多いですよね。ヤザンの「手ぇ篭めぇにしてやるぅ」とか)
しかし、実のところカミーユはジェリドのことはあまり気にしていなさそう。ヒルダを殺されたあと、ジェリドに「まだおっぱいが恋しい年頃だもんなぁ」と言われてもなんとか冷静にいなしていたし。
作中でもカミーユはジェリドを追っかけ回したりしなかったんですけど、ジェリドはいちいちカミーユに突っかかって行ってるんですよね。片想いが重い。
単純にジェリドは毎度やられてモビルスーツが変わっているので、カミーユからはジェリドを意識しようもなかったかもですが。
まとめ:「カミーユ、貴様は俺の!」の続き
- ジェリド最期のセリフ「カミーユ、貴様は俺の……!」の続きは「すべてを奪った!」
「カミーユ、貴様は俺の……!」とか「アメリア……!」とか、すべては語らずいろいろと想像が膨らむのも、富野監督作品の妙味ですよね。
どうでもいい話、初見のとき「カミーユ、貴様は俺の……!」は「今日から俺は!」みたいだなって思いましたまる。