天才的なモビルスーツ開発能力。卓越したモビルスーツ操縦能力。カリスマ性。化け物揃いのZガンダム登場人物の中でもトップクラスのニュータイプ能力。
誇る木星帰りの男、天才パプテマス・シロッコこそ、ティターンズでも最も高い能力を持っていることは間違いありません。
しかし、残念ながらシロッコこそティターンズ敗北の原因を作った大戦犯。
もし、シロッコがイケメンじゃなかったら……
せめて、蚊トンボを追いかけ回すような残念なオツムでなかったら……
ティターンズの掌握より戦うことを優先したイケメン
ティターンズ崩壊のはじまりは、シロッコ一派がティターンズのトップ2人、ジャミトフとバスク・オムが謀殺したこと。
シロッコがティターンズの実権を握るための一手でしたが、いきなりトップの2人が死んで決戦だ! と言われても混乱は避けられません。しかも、シロッコは艦隊の指揮をするでもなく、自ら重モビルスーツ ジ・Oを駆り最前線へ出ています。
この判断をフォローするなら、シロッコは実力はあっても木星帰りで生え抜きのティターンズ将校とはいえない立場。まずは結果を出さないと指揮系統を完全に掌握できないとの判断があったと捉えることはできます。
(どちらかといえば イケメンゆえの 自信過剰からジ・Oで飛び出していった感ですけど)
前線に出たからにはシロッコが最優先すべきは、エゥーゴが支配しているコロニーレーザー グリプス2を奪取、もしくは発射不能に追い込むこと。
シロッコがエゥーゴやアクシズに勝つための戦力として当代最強の戦艦ドゴス・ギアを含むティターンズ艦隊は外せません。その艦隊をコロニーレーザーで撃たせるわけにはいかないのです。
普通に勝てていたシロッコ
実のところ、シロッコはあと少しでエゥーゴに勝てるところまで迫っていました。
劇中、シロッコはジ・Oでグリプス2内部まで侵入。一方、エゥーゴ側で守りに入れ田のは蚊トンボことクワトロ大尉の百式たった一機のみです。
さらに 希代のヤンデレ ハマーン様のキュベレイまでもがクワトロ大尉に襲いかかります。漁夫の利を狙うハマーンとしても、コロニーレーザーなんてマップ兵器で決着をつけられては困る。エゥーゴとティターンズとではもっと消耗戦をやってほしいので、この場はシロッコに協力します(同時にシャアを追い詰めての説得も目的)。
ラスボス シロッコのジ・O、続編ZZガンダムのラスボス ハマーン・カーンのキュベレイに対してクワトロ大尉は百式単機。いくら前作ラスボスだったクワトロ大尉とはいえ、この状況でレーザー発振器を守らないといけない。
できるわけねーだろ。
Zガンダムに乗っていればともかく、百式程度じゃ相手がシロッコのジ・Oタイマンで勝つのも厳しい。普通に無理ゲーです。
実際クワトロ大尉は大いに苦戦し、「まだだ、まだ終わらんよ!」とか言いながらも防戦一方。追い込まれて百式から降り、グリプス2内部の劇場へ逃げ込みます。
この局面で蚊トンボと戯れるイケメン
つまりこういうこと。
- コロニーレーザー発射阻止のためグリプス2に侵入したシロッコ
- クワトロが邪魔に入るも、ハマーンと協力して楽勝
この時点でシロッコの目的はほぼ達成されたも当然です。あとはコロニーレーザーの発振器を壊すだけでグリプス2を無力化できたはず。
しかしここで天才シロッコくん、頭おかしいな行動に出ます。
なぜか発振器を破壊せず、モビルスーツを降りてまで逃げたクワトロ大尉を追いかけたのです。
いやクワトロ大尉追っかけてる場合じゃないだろ!
原っぱで蚊トンボ追っかける小学生男児かよ。
こうして、天才脳みそお花畑シロッコがのさばった結果、ティターンズはくだらない内紛で決戦直前にトップ2人を失い、当代最強戦艦ドゴス・ギアも撃沈され大敗。
当のシロッコはエゥーゴの最大戦力 カミーユの精神を道連れにすることには成功するも、時すでに遅し。ティターンズには壊滅したあとだったのですから。
もしシロッコがイケメンじゃなかったら
もしシロッコがイケメンでなかったなら。女たちにちやほやされることもなく、野望を抱いて調子に乗ることなく、最後までティターンズのいち将兵として活躍してくれたなら。
ジャミトフの政治力のもとで強力なモビルスーツを開発し、パイロットとしてもヤザンとともにエゥーゴやアクシズの雑兵どもを蹴散らしてくれたことでしょう。
さらにいえばシロッコがティターンズのために戦略家、戦術家としての能力も発揮していれば、アクシズ衝突によるゼダンの門崩壊も防げたかもしれません。ゼダンの門で大打撃を受けず圧倒的な戦力を維持できてれば、そもそもコロニーレーザーも奪われず負けることもなかったはず。
シロッコはゼダンの門にアクシズをぶつける奇策も予想できていたうえで、ジャミトフを追い込むためにだんまりだったっぽいですし。
[シロッコがそうして地道に実績を積み上げていれば勝ち馬ティターンズに乗ったうえでNo.2ぐらいにはなれていたのではないでしょうか。ジャミトフは過激すぎるバスク・オムを疎ましく思いながらも指揮官としてはそれなりに優秀だから仕方なく使っていたわけですし、シロッコがジャミトフに忠実であればもっと重用された未来だってあったはずです。
その点、金色のノースリーブグラサンを追いかけて敗北を喫したイケメンは、本当にどうしようもない。]
まとめ:シロッコがイケメンじゃなかったらティターンズは勝っていた
よくジェリドの「カミーユ? なんだ男か」発言でティターンズが滅んだと言われていますが、現実的にはティターンズが負けたのはシロッコのせいです。
本当にロクでもねえなイケメンってのは。
最後の最後、スイカバーアタックにはとんでもない顔芸をみせてくれる。あの顔見てたらサラもレコアついてこなかっただろう。ヤザンは豪快に笑い飛ばしてくれそうだけど。